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続いて柳之御所遺跡




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👆は道の駅前にある柳之御所資料館ですが閉館中でした・・・
2021年リニューアルオープン予定だそうです。


しかしながら遺跡自体は自由に見学できました。
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この遺跡は、平安時代末(12世紀)の居館跡で、歴史書『吾妻鏡』に記載される「平泉館」に比定され、奥州藤原氏の政務の場と考えられている。南西側の低地は猫間が淵と呼ばれている。

継続的な発掘調査によって、堀・園池・掘立柱建物・便所などの遺構、京都や海外との交流を示す土器や陶磁器などの遺物が多数発見されている。

わが国の北方領域に展開した政治・行政上の拠点を示す遺存状態の良好な遺跡として、平泉の文化遺産の中でもとくに重要である。


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付属建物
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中心建物を補助した役割を持つと考えられる建物が、付属建物です。
これらは、儀式の際に食事の準備をする厨や、同行した家来たちがつめている建物などにあたると想定しています。

ここでは、発掘によって明らかになった柱の位置と太さを示し、建物の内部と外側の広がりを区別して表現しています。
実際に出土した柱材の多くが栗材だったため、柱は栗材を用いて表示しました。
付属建物は、中心建物に比べると柱の太さや間隔が小さいことから、小規模な建物だったことがわかります。



(うまや)
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中心建物に付属する建物のひとつです。
この建物は、柱を地面に直接立てる掘立柱建物ですが、中心建物に比べて柱の並び方に統一性がなく、また、建物の構造からも、馬をつなげておく厩と考えています。

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園地
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金鶏山を向こうに、中心建物や庭に面して池が見つかりました。
池は新旧2時期(1・2期)あり、新しい方の池を復元しています。
導水路が見つかっておらず、池の水は湧水や雨水などを利用したと考えられます。
復元した池は、発掘された池に盛土をして再現したもので、範囲を推定した部分は石の敷き方を変えて表しています。

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中心建物
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遺跡内のこの周辺は、大型の建物が集中しています。
これらの建物は規模が大きいことや、池や広場にめんしていることから、平泉館の中心的な施設と考えられます。
西の建物は東西約11m、南北約14mの大きさで、広い庇をもち、特に格式の高い建物と推定されます。
東の建物は、南北の長さが25mもある長大な建物跡です。
この2棟の建物と池、広場などを含めた一帯が、儀式に使用された空間と考えられます。

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井戸
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平成21年(2009)までに、64基の井戸跡が見つかっています。
中には、深さが5mをこえるものもありました。
井戸からは、木製品の他に、陶磁器や印章など、貴重な遺物も出土しています。

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