VOL.6
ROGUE出演決定記念!
奥野敦士 x 櫻井和寿 対談<後編>

写真:岩橋仁子 文:北川 毅

イメージ 1


そういう縁なんだろうね(奥野)

櫻井
ap bank fesでは毎年Bank Bandとしていろんな方々のカヴァーを演ってたんですけど、そこで僕はずっといつか大好きなROGUEの「終わりのない歌」を歌おうと思ってたんです。でもそのときぜんぜん事故のことは知らずに。で、ついに2012年のときにさあ演ろうとなって、ROGUEが今どんなかんじなんだろうと検索してみた。そこで初めて奥野さんが事故に遭われたことを知ったんです。

奥野
YouTubeに上げたやつ[※注2]ね。それまでずっと声がうまく出せなかったんだけど、ふとしたときに腹筋が使えないぶんベルトを締め付けて体を傾けて歌う歌唱法をみつけてね。あれは、それからリハビリを重ねてやっと1曲だけなら歌えるってときだったんだよね。

櫻井
きっとものすごく大変だったんだとは思うんですけど、映像ではものすごく幸せそうな表情で歌っていて。

奥野
うん、いろんな人からも心配されてたから、1曲歌えたときのあの安堵感ったらなかったね。「やったぁーー!!」って。

櫻井
すっごい笑顔でしたよね。そこで感じたのは「本当に歌が好きなんだろうな」ってことで。僕もずっと歌い続けてきてますけど、どこかでなんとなく飽きてしまったり、楽しさよりもプレッシャーを感じることの方が多かったりしていて。でも、あの映像を観たときに「歌を歌うってこういうことじゃん」ってあらためて思ったんですよ。完全にヤラレました。

奥野
オレ、ヤっちゃったんだね(笑)。


イメージ 2


櫻井
映像を撮ってる周りの人の声とかも入っていて。それもまた感動したし。

奥野
介護の人ふたりに立ち会ってもらっててね。始まる前には一生懸命に腹を押してもらって。だから歌えたときはふたりともちょっと涙ぐんでくれてた。

櫻井
だから奥野さんのこの歌声を、みんなに聴いてもらいたいなって思ったんです。自分自身の身に大変なことが起きたときに、それでも苦しさに酔ってしまわずに、ちゃんとそのなかで喜びをみつけていくってすごいな、かっこいいなと思って。ちょうどあの年は震災のあとで。大変な思いをされている人がたくさんいて。でも、震災だけじゃなく大変なことや悲劇はたくさんあって、それでも楽しくいることを忘れない強さを持った人がいるのをぜひ見て欲しい、この歌声を聴いてもらいたいって。それで出演依頼として奥野さんにお会いしに行ったんです。

奥野
誘ってもらってすげえ嬉しかったよ。わざわざ会いにきてくれたんだけど、あのときはまだ体の一部の機能が思わしくなくてドクターストップがかかっちゃって。で、その年に「終わりのない歌」をカヴァー[注3]してくれたんだよね。

櫻井
出演は叶わなかったけど奥野さんの映像と共演させていただいて。

奥野
でもあのビデオってじつはオレ寝巻きだったからさ(笑)、今度はやっとちゃんとできるから嬉しいよ。

櫻井
よろしくお願いします。来てくれるお客さんの中にはROGUEを初めて観る人もいると思うんですけど、見た目は怖いおじさんが4人いるって感じですけど優しい人たちなので(笑)。

奥野
パンクあがりだから強面(こわもて)だけど、腰低いよ(笑)。


イメージ 3


 ー7月のつま恋のステージではおふたりのコラボも期待していいでしょうか?

奥野
そりゃやんなきゃね。じつは2012年のap bank fesの映像をウチの香川がたまたま観たのが今の再結成につながるきっかけなんだよ。あれを観て「なんだ奥野、歌えるじゃん」って。ap bank fesもあれから(つま恋開催は)6年ぶりなんでしょ? だからそういう縁なんだろうね。あの年できなかった「終わりのない歌」やろうよ。

櫻井
奥野さんにそう仰っていただけるならぜひ。今日ここへ来る前ちょうどその映像を観てたんですよ。ついにap bank fesのステージでいっしょに演れると思うと感慨深いです。

奥野
オレもまた節目にさせてもらうよ。




※注2 奥野敦士 [この素晴らしき世界]



※注3 ap bank fes ’12 Fund for Japan_Bank Band「終わりのない歌」