VOL.5
ROGUE出演決定記念!
奥野敦士 x 櫻井和寿 対談<前編>

写真:岩橋仁子 文:北川 毅

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Mr.Childrenが憧れた日本ロック界のレジェンド・ROGUE[※注1]。1985年にメジャーデビューし、1989年には当時まだロックでは難しかった日本武道館単独ライヴを行うなど、日本ロック界の礎を築いたバンドだ。その後1990年に解散するも再結成に向けて動き出した矢先、ヴォーカルの奥野さんが不慮の事故に遭う。それは、頸椎損傷というヴォーカリストにとって致命的とも言えるほどのものだった。しかし、厳しいリハビリと、歌への強靭な気持ちから生まれた新たな歌唱法によってついに奥野さんは再びステージに立てるまでになる。事故後に初めて歌う姿が収録された心揺さぶるその映像は、2012年のap bank fesで櫻井が共演し大きな反響を生んだ。そして今年ついにROGUEのap bank fes出演が決定! 6年の時を経て実現するステージを前に、ふたりの熱い想いを聞いた。


歌い方も衣装も真似してたんです(櫻井)

櫻井
僕はもうアマチュアのころからROGUEが大好きで。リハーサル・スタジオに入ってはROGUEの「DANCE DANCE」とか「BOYS BE AMBITIOUS」とかバンドでやってたんですよ。

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奥野
なんか恥ずかしいな(笑)。

櫻井
Mr.Childrenの最初のころはそんなかんじでした。歌い方も真似したし、衣装も真似してたんですよ。

奥野
ホントに? どんなやつ着てたの?

櫻井
赤いジャケットとか。武道館のときに奥野さんが着てたやつ。

奥野
ああ、ルパン3世みたいなやつね。あのころはメンバーの衣装もばらばらだったけど。香川(誠/ギター)なんかテンガロンハットかぶったりしてたし。

櫻井
でもそれがかっこよかったんですよ。GBGB(2013年に始まったLLP信誠会主催[※注2]のライヴイベント)でROGUEのライヴを久しぶりに観させてもらったときも、僕が言うことじゃないかもしれないですけど「奥野さん、歌うまいなあ」って思いましたし。

奥野
たしかにここ数年でどんどん声が出るようになってきてるね。

櫻井
奥野さん独特の声の響かせ方があるんですよね。

奥野
今のは新しい歌唱法[※注3]だけどね。ずいぶん前とは変わったでしょ?

櫻井
でも変わってないなと思うところもいっぱいありますよ。ヴォーカリストならではの見栄の切り方とか。これは褒め言葉として受け止めてほしいんですけど、奥野さんのステージを観て思うのは「自我の強い人だな」ってことで。

奥野
それはいえる(笑)。

櫻井
それをCDの歌声だけでも感じるんですよ。

奥野
だからオレ、香川とケンカしちゃうんだよな(笑)。

櫻井
そう、だからCD聴いててふと心配になりましたよ。再結成してまた音楽のことでケンカとかしちゃうんじゃないだろうかって(笑)。

奥野
いやもうさすがに今はみんなオトナだけどね。でもそうじゃないと音楽なんてやってられないから。ましてやオレは真ん中で歌う立場だし。でもね、不安だから今は毎日歌ってる。1日1曲作って毎日朝3時に起きて歌ってるんだ。一時期はまったく声が出なくなってたから、そうしないとやっぱ不安なんだよね。

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櫻井
いまはどのくらいライヴをやられてるんですか?

奥野
講演会って形でアコースティックのも入れるとけっこうやってる。バンドではライブハウスを年に2本とGBGBだね。

櫻井
バンドの音も変わらない”ROGUE感”がありますよね。奥野さんの声がないところでもそれは強く感じます。このあいだのアルバムの中の曲だと「バレリーナ」とかそうでした。

奥野
バンドとしてのクセが強いんだろうな。基本的にウチってベタな8ビートがなくてだいたいハネてるよね。そういう意味では個性なのかな。でもさ、櫻井くんのところの鈴木くんも個性あるよね(笑)。ライヴ観させてもらったとき、彼がドラム叩きながらずっと歌ってるから俺もそれをずっと観ちゃってね。感動したよ。彼、全曲歌えるでしょ?

櫻井
そうかもしれない(笑)。

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※注1 ROGUEプロフィール

※注2 LLP信誠会
ROGUEのヴォーカリスト・奥野敦士氏の事故がきっかけとなり、「障がい者と健常者の本当の意味でのバリアフリー」を目指して設立された。2013年から群馬県で開催している音楽イベント「G-Beat Gig Box (GBGB)」の収益で福祉車両を購入し、自治体へ寄贈する活動を行っている。
オフィシャルサイト

※注3 腹筋など筋肉の動きの代わりにベルトをきつく締めることで腹式呼吸と同じような状態を作り出すというもの。